多良岳ハイキングコース
多良岳の登山道には、オオキツネノカミソリなどの高山植物や、ドウダンツツジが美しく、道端には数多くの石仏が木々のなかでたたずんでいます。秋の紅葉、冬の霧氷など美しい自然に恵まれ、日帰りトレッキングを楽しむには最適です。
多良岳マップ全体図
ルート解説
中山キャンプ場のバンガロー前にある木の鳥居が登山口です。稜線まで約1時間の登りです。
樹林の中の千鳥坂と呼ばれる急坂を登りきると、平坦な道の幸福坂に到着。
そこからしばらく進むと道は再び急坂になり涸れ谷を登るようになるとそこが夫婦坂。更に最後の坂を登り切ったところで稜線に出ます。
稜線沿いに右方向(西方向)に行くと5分で金泉寺、反対方向(東方向)へ進むと太良嶽神社上宮へ向かいます。太良嶽神社上宮方面へ進むと、道は樹林の中から石段となり、鎖場を越えて小屋根に出て、そこから右へ行くと山頂です。山頂には太良嶽神社上宮の祠があります。
中山キャンプ場から多良岳頂上へ
中山キャンプ場
多良岳の中腹546mの地点にある中山キャンプ場。中山キャンプ場は、夏でも平均気温が23~24℃という爽やかな気候でキャンプを楽しむには絶好の環境です。ハイカーにも人気があり、多良岳登山の登山口にもなっています。
今回のトレッキングガイドはここから出発します。
オオキツネノカミソリの群生
7月下旬から8月上旬にかけてオオキツネノカミソリ(ヒガンバナ科)が咲きます。キツネノカミソリという名前は狐の剃刀に由来しており葉の形からつけられています。
葉はやや幅の広い線形で、柔らかく明るい緑色です。
金泉寺近くの斜面で見事な大群生を見ることができます。
金泉寺
金泉寺は、僧行基が開山したと言われています。
境内には、県営の山小屋があり、一休みしたり、テントを張って泊まることもできます。
多良岳
中山キャンプ場から約60分で多良岳山頂に到着します。
多良岳は第四紀初頭の古い円錐状火山・多良岳火山の一峰で、標高996mです。アカガシやミヤマシキミの自然林や、九州ではここだけしか見られないチャルメルソウ(ユキシタ科)が群生するなど、図鑑で見た鳥や動物、山岳でしか見られない植物たちに出会えます。
山頂には和銅年間(708~715年)に創建された多良岳権現が奉られ、今なお密教的な雰囲気が漂います。
深閑とした多良岳山中に立ち並ぶ優美な観音像
役の行者座像
太良嶽神社の石の鳥居の側にまつられている下駄をはいた白髭の石像
太良嶽神社上宮
多良岳山頂の太良獄神社上宮の石祠は、大正12年9月、太良獄神社神官他太良村の有志によって建立され、その石材は神水泉(しめ川)付近から採ったと言います。大きな石祠でとても重く、頂上まで引き上げるのにたいへんな苦労をしたそうです。