多良岳に住む動植物たち
サンショウウオ
この仲間に、ブチサンショウウオとカスミサンショウウオが見られ、前者は高地の水溜まりなどに、後者は水田、沼などに見られます。古くは漢方薬として利用されていました。
シャクナゲ
太良町では古くは「しゃくなんぞう」などと呼ばれています。平地では4月中下旬、山地で5月上旬にかけて濃い紅色のつぼみから淡い紅色の花を咲かせます。シャクナゲは常緑低木の仲間で、3~4mほどまでしか伸びず、樹下の半日陰を好んで生育しています。
オオキツネノカミソリ
ヒガンバナの仲間で、7~8月にかけてヒガンバナに似たオレンジ色の可憐な花をつけます。葉が剃刀のような形をしていることから、このような名前が付けられました。
花が終わると、秋から冬にかけて葉を伸ばし、晩春には枯れてしまって、花の咲くまで休眠するという変わった性質を持っているのが特徴です。多良岳では多良山系の中腹あたりから疎林の下草としてかなりの密度で群落をつくり、この大群衆は日本でも貴重とされています。
マンサク
マンサク科に属する日本特有の植物であって、春一番に開花することから、「先ず咲く」との呼び名の起こりだと言われています。まわりの草木が未だ冬の眠りから醒めていない時期に、葉に先んじて花を咲かせます。花そのものは黄色い4枚の花びらが巾3~4mm、長さ2cmほどのつづれ細工を思わせる地味なものでありますが、花の少ない時期だけに捨て難い風趣があります。