子宮頸(けい)がん予防ワクチン(HPVワクチン)
1.子宮頸がんとは
子宮頸がんは、子宮の頸部という子宮の出口に近い部分にできるがんで、若い世代の女性がかかるがんの中で多くを占めるがんです。日本では、毎年約1.1万人の女性がかかる病気で、さらに毎年、約2,900人がなくなっています。(国立がん研究センターがん統計より)
子宮頸がんの原因として言われているのが、ヒトパピローマウイルス(HPV)で、女性は一生涯に一度は感染すると言われています。
2.子宮頸がん予防ワクチンの効果
HPVの中には、子宮頸がんを起こしやすい種類(型)のものがあります。子宮頸がん予防ワクチン(HPVワクチン)は、このうち一部の感染を防ぐことができます。
現在、日本において受けられるワクチンは、防ぐことができるHPVの種類によって、2価ワクチン(サーバリックス)、4価ワクチン(ガーダシル)、9価ワクチン(シルガード9)の3種類があります。
2価及び4価ワクチンは、子宮頸がんを起こしやすい種類であるHPV16型と18 型の感染を防ぐと言われています。そのことにより、子宮頸がんの原因の50~70%を防ぎます。
9価ワクチンは、HPV16型と18型に加え、ほかの5種類(31型・33型・45型・52型・58型)のHPVの感染も防ぐため、子宮頸がんの原因の80~90%を防ぐと言われています。
また、HPVワクチンで、がんになる手前の状態が減るとともに、がんそのものを予防する効果があることもわかってきています。
3.個人通知について
HPVワクチンについては、子宮頸がんの予防に一定の効果があることから、平成25年4月から予防接種法に基づく定期予防接種となりましたが、平成25年6月14日の厚生労働省の会議において、予防接種後にワクチンとの因果関係を否定できない痛みが続く事例があることが報告されたため、太良町では国の方針に基づき、予診票の送付・積極的な接種勧奨を行っていませんでした。
その後、厚生労働省でHPVワクチンの有効性および安全性に関する評価、接種後に生じた症状への対応、情報提供の取り組み等について議論が行われ、HPVワクチンの安全性について特段の懸念が認められないことが確認されました。また、接種による有効性が副反応のリスクを明らかに上回ることが認められ、積極的な通知を差し控えている状態を終了させることが妥当であるという旨の通知が厚生労働省から都道府県を通じて全国の市区町村に通知されたことを受け、HPVワクチンについて令和4年度から個別通知を再開しています。
定期接種対象者
小学6年生~高校1年生相当の女子
・小学校6年~高校1年相当の女の子と保護者の方への大切なお知らせ(概要版) (PDFファイル; 2782KB)
・小学校6年~高校1年相当の女の子と保護者の方への大切なお知らせ(詳細版) (PDFファイル; 3667KB)
4.キャッチアップ接種とは
積極的勧奨の差し控えにより接種機会を逃した方を対象に実施する予防接種をキャッチアップ接種といいます。
HPVワクチンの積極的勧奨を差し控えていた期間に、定期接種対象者であった平成9年度生まれ~平成18年度生まれの女性のうち、接種を完了していない方は、令和7年3月31日までは公費にて(自己負担なしで)HPVワクチンの接種を受けることができます。
キャッチアップ接種対象者
平成9年度生まれ~平成19年度生まれの女性のうち、接種を完了していない方
定期接種の年齢を超えても、令和7年3月末まで接種可能です。
キャッチアップ接種対象者へ (PDFファイル; 2197KB)
5.使用ワクチン、接種回数、接種間隔
2価のヒトパピローマウイルス感染症予防接種(商品名:サーバリックス)
接種回数:3回
接種間隔:1回目と2回目は、1か月以上の間隔をおく
3回目は、1回目から5か月以上かつ2回目から2か月半以上の間隔をおく
4価のヒトパピローマウイルス感染症予防接種(商品名:ガーダシル)
接種回数:3回
接種間隔:1回目と2回目は、1か月以上の間隔をおく
3回目は、2回目から3か月以上の間隔をおく
9価のヒトパピローマウイルス感染症予防接種(商品名:シルガード9)
令和5年4月1日から9価ワクチンが定期接種に追加されました。
下記リーフレットを(9価「HPVワクチン」を公費で接種できるようになりました) をご一読ください。
・定期接種対象者用:9価「HPVワクチン」を公費で接種できるようになりました (PDFファイル; 604KB)
・キャッチアップ対象者用:9価「HPVワクチン」を公費で接種できるようになりました (PDFファイル; 492KB)
9価HPVワクチンは、いくつかの種類(型)のヒトパピローマウイルス(HPV)のうち、9種類のHPVの感染を防ぐワクチンです。その中でも、子宮頸がんの原因の80~90%を占める、7種類のHPVの感染を予防することができます。
接種回数:3回 ※
接種間隔:1回目と2回目は、1か月以上の間隔をおく
3回目は、2回目から3か月以上の間隔をおく
※15歳の誕生日の前(15歳未満)までに1回目を接種した場合、2回接種完了が可能です。
注意:1回目と2回目の接種は、少なくとも5か月以上あけます。
5か月未満の場合は3回目の接種が必要になります。
6.接種方法
接種するワクチンの種類をあらかじめ決め、医療機関に予約してください。
接種場所:県内の「予防接種広域実施医療機関」鹿島・藤津地区/杵島・武雄地区 (PDFファイル; 175KB) 、その他医療機関 (PDFファイル; 474KB)
ワクチンの有効性とリスク等については、リーフレット及び厚生労働省のホームページ等を確認し、接種者本人と保護者で話し合い、充分理解した上で、接種を希望される場合は、子宮頸がんワクチンを取り扱っている医療機関に直接ご予約ください。
自己負担額
無料
※ただし、対象年齢を過ぎて接種する場合は、任意接種(自費での接種)になります。
持参するもの
- 予防接種済証
- 予診票
- 母子健康手帳
7.接種後のリスク
・HPVワクチン接種後には、接種部位の痛みや腫れ、赤みなどの症状が起きることがあります。
・筋肉注射という方法の注射で、インフルエンザなどの注射と比べて痛みが強いと感じる方もいます。
・ワクチン接種後、まれですが重い症状(呼吸困難、手足の力が入りにくいなど)が起こることがあります。
詳細は、厚労省リーフレット (PDFファイル; 3667KB) 5ページをご確認ください。
8.接種後の注意
ワクチン接種後に、体調に変化があった場合は、すぐに接種をした医療機関へ相談してください。
佐賀県では、気になる症状が出た場合の相談先が設置されていますのでご相談ください。
【相談窓口】
〈医療、救済に関すること(総合相談窓口)〉
・佐賀県健康福祉部健康福祉政策課感染症対策担当 電話0952-25-7075
〈学校生活に関すること〉
・佐賀県教育委員会事務局保健体育課健康教育担当 電話0952-25-7234
※両相談窓口の受付時間 月曜日~金曜日 8時30分~17時
ただし、県の閉庁日(祝日、年末年始など)を除く。
【その他の相談窓口】
〈予防接種の基礎知識/子宮頸がん、HPVワクチンの基礎知識〉
・厚生労働省 HPVワクチン相談窓口 電話0120-331-453
受付日時:月~金曜日(土日祝日、年末年始を除く)、9時~17時
9.償還払い制度について
子宮頸がん予防(HPV)ワクチンは、平成25年度から令和3年度までの間、積極的な接種の勧奨を差し控えていました。太良町では、この間に公費で接種できる機会を逃した方で、定期接種の年齢(小学校6年から高校1年相当)を過ぎたあとに任意接種として自費で接種した方に、接種費用の払い戻し(償還払い)を実施します。
以下の項目をご確認の上、期限までに申請してください。
対象者 ※いずれにも該当する方
(1)平成9年4月2日から平成17年4月1日生まれの女性で、令和4年4月1日時点で太良町に住所を有する方
(2)16歳となる日の属する年度の末日(高校1年生の3月31日)までにHPVワクチンを3回接種していない方
(3)17歳となる日の属する年度の初日(高校2年生の4月1日)から令和4年3月31日までにHPVワクチン(2価又は4価)の任意接種を受け、接種費用を負担した方
(4)令和4年4月1日以降、償還払いを受けようとする接種回数分について、キャッチアップ接種によるHPVワクチンを受けていない方
対象となるワクチンの種類
・2価HPVワクチン(サーバリックス)
・4価HPVワクチン(ガーダシル)
※9価のワクチン(シルガード9)は、償還払いの対象外です。
償還額(払い戻し金額)
接種費用の実費相当額(最大3回分)
※ただし、支払われた接種費用と太良町が定める額を比較して少ない方の額を助成
※予防接種以外の費用(接種に要した交通費・宿泊費、接種証明の発行等に要した文書料など)は対象外
申請期間
令和5年4月1日~令和7年3月31日まで
申請手続き方法
下記「申請時に必要なもの」を持参し、役場健康増進課へ申請してください。
【申請時に必要なもの】
・太良町ヒトパピローマウイルス感染症に係る任意接種償還払い申請書兼請求書 (PDFファイル; 154KB)
・接種費用の支払いを証明する書類の原本(領収書等)
※接種日、ワクチン名、ワクチン毎の料金、医療機関名が記載されているもの
※確認できる書類がない場合、太良町ヒトパピローマウイルス感染症に係る任意接種償還払い申請用証明書 (PDFファイル; 70KB)
・接種記録が確認できる書類の写し(母子健康手帳、予防接種済証又は接種済みの記載がある予診票等)
・振込先通帳の写し
ご不明な点は、健康増進課までお問い合わせください。
留意事項
ワクチンは完全に子宮頸がんを予防できるものではありませんので、20歳以降子宮頸がん検診を受けることができます。定期的にがん検診を受けましょう。
関連リンク
厚生労働省ホームページ:外部リンク
・ヒトパピローマウイルス感染症~子宮頸がん(子宮けいがん)とHPVワクチン~